龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「ああ、あれね」

圭吾さんもニッと笑った。

「あれを読んだらズルはできないよな」



その日、テストの後で美幸がわたしを講堂に連れて行った。


「校訓ってあれよ」


美幸の指差す正面の壁には、学校の創始者の言葉が掲げられていた。




学生諸君へ


人はそれぞれに

天賦の才というものがある

それは

自らのために使う事も出来るし

或いは

他者を救うために使う事も出来る

持てる力をどのように使おうと

誰にも分かりはしない

ただ 諸君ら自身が

それを知っているだけである


よく学び

ひたすら励めよ




< 94 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop