元カレ×元カノ-最悪の再会-





車に乗せたはいいものの、これからどうするべきか思い付かない。


この子はショックが大きいのか一言も喋らず、ボーッとしたまま動かない。



人気のない公園の駐車場に停まり、声だけ掛けてみる。




「自分ちに帰る?送ってくから」


「……や、いやだ……」




やっと口を開いたかと思うと、目から涙が溢れだした。


自分の部屋でも嫌な思いをしたのか。

この子には憩いの場所がないのかと思うと、あいつに殺意さえおぼえた。



「じゃあ、どうする?……体、綺麗にしないと」



この辺に銭湯なんてないし、あったとしてもあまり人目につきたくないだろう。


うちは実家だし今の時間帯は母親と、もしかしたら妹もいるかもしれない。



でも、早く汚れを充分に洗い流せるだけのシャワーくらい浴びさせてやりたかった。



もう、一つしか方法は……ないよな。


この子には酷かもしれないけれど、言うだけ言ってみる。





「……風呂、入りたいよな?


でも、この辺には銭湯みたいなとこはないし、

俺んちは実家で母親がいる。


だから、あそこでとりあえず風呂だけ入ろうか。



そんで少し休んだら、これからのことを考えよう」



俺が思いつく最後の手段として、少し離れたラブホテルを指差した。



少しの間があったが彼女が小さくうなずいたのを確認し、車を走らせた。


















< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop