24時間プロデュース【完】
初めてあたしを見掛けたとは言え、呼び留めたのは。
此処まで連れて来たのは。
何か用があるんじゃないか。
何か理由があるんじゃないか。
そう思って、聞いたのに。
「ああ、実は――」
再び口を開いた男から放たれた言葉は
今まであたしが人と向き合って来た中で
最も意味不明で、悪質なものだった。
「ちょっとある理由があって、プロデュースさせてくれる人を探してて」
「……?」
「それで、」