24時間プロデュース【完】
驚いて、あたしの腕を掴む誰かを見遣ると。
「っ」
男だと言う事は確認出来た。
でも、
「誰!?」
叫ぶ様にして問い掛けると、一気に周りの視線が此方に集まる。
男はサッと辺りを見回すと、
「…お願い、走って」
そう言ってあたしの腕を掴んでいる手に力を込めた。
「だから、だ…」
その要望に納得行く筈も無く、今一度
男が誰であるのかを確認しようとするあたし。
でも男はその言葉を最後まで聞いてはくれなかった。