【完】 After Love~恋のおとしまえ~
自殺するつもりなんて毛頭ないし、出勤もするだろうと確信していたけれど。
サトシの晴れがましい顔がおもしろくなくて、わざと思わせぶりに目を伏せてみせた。
「えっ、分からないって、何が!?仕事に行くかどうか分からないって意味?まさか、自殺するかどうか分からないって意味じゃないよなっ!?」
焦った様子のサトシに、ザマーミロと思う。
「どっちだろうね……」
そう言ったきり沈黙した私の肩を、サトシが掴んできた。
「友里!」
「……」
最後の最後に心配させるくらい……
これくらいの仕返し、する権利あるでしょう?
「そんなこと言われたら、俺、友里の前から去れないじゃないか」
「心配してくれるの?」
「あたりまえだろ!」
サトシが本当に心配そうな顔をしたから、少しだけ罪悪感を覚えた。