【完】 After Love~恋のおとしまえ~
そんな会心の自信作を持って、晴天の朝、迎えに来てくれたサトシの車でドライブに出発。
サトシがかけた明るく陽気な音楽に、気持ちはますます弾む。
明るい太陽の光が、素敵な一日のはじまりを彩ってくれているような気がした。
しかし……
しばらく走ったところで、猛烈な眠気に襲われた私は、ウトウトと首を揺らしはじめてしまった。
その朝、料理のためにあまりにも早くに起きたためだ。
すると、サトシが突然、助手席側の窓を全開にした。
大きな音を立てて急激に吹き込んできた風に、はっと目を覚ます。
「友里、首がコクコクなって、鳩みたいだったぞ。俺が運転しているのに、自分だけ寝るなよ」
冗談交じりではあるものの、どこか本気で不満を持っていそうなサトシ。
「あ、ごめん……」
謝りつつも、私もひそかに不満に思う。
――ドライブの時って、普通は男性が気をつかって「寝てていいよ」とか言うものじゃないの?