【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「フランス文学入門」
「え?」
フランス文学入門って……
「何でそんなの読んでいるのか聞いたんだよ。そしたらさ……友里ちゃん、大学時代はフランス文学を専攻していたんだって?」
「ええ」
「友里ちゃんがどんなことを大学で学んできたのか知りたいから買ったんだってさ。フランス文学入門の本。だけど、あいつも『何度読んでもフランス文学の面白さが理解できない』って言ってたよ。それでも理解したくて、何度も読み返しているんだってさ」
まさか、サトシが……
私がサトシの好きなことを理解したいと思うのと同様に、サトシも私のことを理解したいと思ってくれていたなんて。
谷本先生は優しく微笑んで
「もう一つ、嬉しいことを教えてあげようか」
そう前置きして、こんなことを教えてくれた。