【完】 After Love~恋のおとしまえ~

それからサトシは、感心した様子で、こんなことを続けた。

「しかも、リリカちゃんは健気な上に、弟の手術が成功したら今度は自分が大学に行きたいっていう夢があるんだ。夢があるなんて素晴らしいと思わないか?ちなみに友里には夢とかある? ないだろ?」

何故ないと決めつけるのよ。

「……前は、童話作家になりたいと思ってたけど」

「えー、友里、童話なんて書いてたのか!?」

「今もたまに書いてるよ」

「どんな話? あんまりたいした話じゃなさそうだけど」

だから、何故そう決めつけるのよ。

「いい。教えない」

「まぁ、いずれにしろその夢は非現実的すぎて、実現は無理だろうな。実現可能性の低い夢は、寝てみてろよ」

サトシが馬鹿にしたように笑うから。

「……そうする」

私は助手席の窓にコツンと頭をあて、ふて腐れて瞳を閉じた。
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