白緑蝶"ever since【続】
私に握手を求める、テオさんの
手が差し出されたまま。

「あっ、ごめんなさい」

その手に触れる。

「僕達、ライバルだけど
 仲良くしようね」

「ライバル?」

「そう、君と僕は恋敵
 
 ソラの心が僕に傾いても
 恨みっこなしだよ」

悪びれる事も無く、さっき
以上に、にっこりと微笑んで
恋敵宣言する彼に、私はもう
驚くしかない。

すっかり、彼のペース。

「テオ、悪いが俺の心が
 おまえに傾く事は無い」

真剣な表情で、きっぱり
そう言い放つソラ。

「どうして、そう言い切れる
 
 僕が異性、同性構わず
 愛せるような男だから?」
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