ハ・ジ・メ・テ!

好きな人

輝くくらいに青かった空が徐々にくすみだす。

冬の太陽は短い。


チャイムは夏と同じ時間に鳴るのに
窓から見る校庭は夕焼け色なの。



「さち!!」


担任に日誌を届けた後、教室に戻るとみっこが
窓から身を乗り出していた。


親友みっこの声はよく響く。

少し低めの透き通った声。

昔から変わらない。



「ほらほら。」



爪に綺麗なピンク色をのせた指が
窓の外を指差した。


その先には

憧れの佐々木先輩。



「はー…今日も格好いい。」



私の
大好きな先輩。


< 2 / 39 >

この作品をシェア

pagetop