紅い私書箱 -短編-
潜むように
和式の便座に座り、

携帯電話を開く。



暗く大人しい悠紀子にとって、
トイレの個室は、
ひとりの空間。

唯一の心地よい場所だった。



"…いじめられたくなぃ…"
"早く…この連中から離れたぃ…"

と、

休憩になると、
人から避けるように、
誰もいないトイレを狙って 個室に潜む……

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