純愛♡ごっこ
 

─ しつこい男やな‥



「どこでもイイやん‥。」


街の明かりが見えて来たフロントガラスの向こう側を眺め、あたしは素っ気なく答えた。


「帰りたく無いんか?ラブホ行くか?」



─ え?



予想外の言葉に、耳を疑う。


「帰らしてくれるの?」


「当たり前やんけ。俺は変態ちゃうからな。」



─ マジ?

  神様があたしに微笑んだ?



「マジで?ほんまに?ウソじゃない?」


途端、さっきまで張り詰めていた緊張の糸がプツンと切れた。

瞳から涙がポロポロ零れて来た。


「道、分かるか?ナビしてくれよ。」


「うん!ありがとぉ!」


 
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