純愛♡ごっこ
 

慧(ケイ)は、助手席に座ったまま、何も答えてくれない。

目の前の男に遮断され、あたしの位置から彼は見えない。


「ケイちゃん!」


「おい!抑えろ!」


買ったばかりのキャミが無造作にたくし上げられる。

後ろの座席にいる男に、抵抗する手を抑えられた。


「ケイが助けるワケ無いやろ!アイツがオマエを売ったんや。」


血の気が引くのを感じた。



─ 売った?

  なに、それ‥



理解出来なかった。

意味が分からなかった。



─ ケイちゃん‥

  なんで?


 
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