純愛♡ごっこ
 

シンは、以前にも増して、あたしを束縛するようになった。


仕事中、毎日、何度も家に電話を掛けて来ては、あたしの所在を確認する。



「夕凪、なにしてるねん?」


「テレビ見てる。」


「夕凪、今なにしてる?」


「ケータイ小説読んでた。けど、今から買い物行くよ。」


「そっか、帰ったら電話して来いよ。家電からな。」


「ハイハイ♪ソクバッキーやな、シンは。」



朝も昼も夜も‥。

彼は、何度も電話を掛けて来る。


まるで、その為に固定電話を設置したみたいに。


そして、そんな束縛も嬉しかったのは最初だけ。


あたしは、段々と束縛し続けるシンに、嫌気が差していた。


 
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