運命の、その場所で
―ギィー。
椅子を引く音ってなんでこんなにイヤな音なんだろう?
「私一人で…保健室行けます…。」
一人で抜け出した教室。
分かってるのに、何度も廊下で振り返ってナチを探した。
足音もしてないのに…一人で行くって行ったの私なのにさ。
「先生…少し頭痛いから、寝ててもいいですか?」
保健室には先生以外ダレもいなかった。
あの日と同じで、消毒液のニオイと時計の針の音だけが流れる部屋…