スノーマン*☆セレナーデ



「ひょぇ~
もう八時過ぎだよぉ~」



ガバッとベッドから飛び起きた。

行く宛の無くなったマフラー。
それでも諦め切れず、綺麗に丸めて机の上にそっと置いた。
今更ながら、赤を選んだ自分を愚かしく思った。


――こんな真っ赤なマフラー、ほかに似合う人なんていないよね……


いやいや……、感傷に浸ってるばやいじゃないぞ、順!


「ち・こ・く・す・るっ!!!」


慌てて、昨日脱ぎ捨てた制服に身体を滑り込ませ、鞄の中身を確認する間もなく、そのまま掴んで階段を駆け下りた。
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