寂しがりやの猫
『どうかしたんですか?』

田村が心配そうな声を出した。


「あ、うん…えっと」

困った。私 なんで田村に電話したんだろう。

元セフレにレイプされましたって言うつもりだったんだろうか。

どうしようかと思っていると 田村が口を開いた。


『うちに猫が居るんですけど』


「あ、うん…」

そういえば そんなこと言ってたな…


『猫ってほんとに呼ぶと逃げて 呼ばないと寄ってくるんですよね』


「へえ」


『なんか、中河原さんと似てますよね』


「え?何よ、それ」


『プライドの高いとこも似てる。あと 同じ失敗を何度もするところとか』


「なに~?バカにしてる?」


私は 田村の声を聞きながらクスクスと笑っていた。



癒されるってこういうことなんだろうなあ…
ぼんやりと思った。
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