不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。



「理来と同じクラスがいいなー。」

登校中、私はふと呟いた。

中学の時の友達はほとんど違う高校に行ってしまったし

私が良く知っているのは理来くらいしかいない。

やはり、少し不安もあるために幼馴染である理来と同じクラスになりたかった。

「...ふーん。」

「何よその返事。」

「心は俺がいないと駄目なのかぁ。」

「は?べつに、そんなんじゃないし!」

しかし理来は笑みを浮かべている。

なんだかイラっときた。

背中を軽くたたこうとして手を伸ばしたときに、理来が顔をあげてまっすぐ私を見て綺麗に微笑んだ。


「俺も、心と同じクラスがいいな。」

「!」


どくん、と一瞬心臓が大きく跳ねた。

(何、今の。)

無意識に心臓あたりを手で押さえる。

「心?」

「あ、相変わらず理来は可愛いね!」

必死で今の高鳴りを誤魔化すように言葉を発すれば、理来は表情を歪める。

「だから、可愛いって言うな!」

「いいじゃん、可愛いんだし。」

「嬉しくねーよ!」

ぎゃあぎゃあと騒ぎ出す。

よかった、何時もの雰囲気だ。

ほっと息をはいて、心臓から手を離す。

さっきのは気のせいに違いない。

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