不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。

それから数分後、尾花さんは体操服姿で現れた。


「あれ?着替えてきたの?」

「うん!更衣室はいっぱいになってると思って、トイレで着替えて来ちゃった!」

「そっかー。」

いこ、と尾花さんは私の手を握ってきた。私は引っ張られるようについていく。

体育用のシューズにはきかえ、体育館に入ると丁度予鈴が鳴ったところだった。


「今日は準備運動と軽い運動だけ行う!そのあとはオリエンテーションだ。」

体育委員はまだ決めていないために先生の掛け声で準備運動が行われた。


体育はA〜Cクラスで行うらしい。乃木君は体育をサボったのかいなかった。




「二人一組になれ〜」

先生の合図で二人一組になる。「心ちゃん一緒にしよ!」尾花さんが真っ先に私のもとにやって来て誘ってきた。

頷けば彼女は嬉しそうな表情をした。嫌な顔をいっさいしない彼女に感心していると、「一人馬とび30回しなさい」という合図がかかる。


「私が先に馬になるね!」

尾花さんが身をかがめて馬になった。数人の男子がちらちらと尾花さんを眺めている。


私は気にしないようにして馬飛びをすることにした。
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