花物語
カボチャコウモリ
十月三十一日はハロウィン
あるハロウィンの晩に起こったお話をしようね
コウモリさんはクロネコさんが大嫌いだったの
それはクロネコさんがいつもいじめていたからなの
クロネコさんも実はカラスさんにいじめられてたのよ

いじめられてばかりいるのはくやしいから
自分より小さなコウモリさんやスズメさんや
もっと小さな虫さんたちをいじめてたの
年に一度のハロウィンの晩にはね
いつもいじめられている子だけ願いごとができるのよ

願いごとがかなうのはひとつだけよ
それでコウモリさんは考えたの
クロネコさんにどんな仕返ししようかって
コウモリさんはこんな願いごとをしたの
お願いですカボチャバクダンにしてくださいって

カボチャバクダンになって
お空からクロネコさん目がけて体当たりするの
クロネコさんは押しつぶされて動けなくなるわ
もう私たちをいじめることはできなくなる
コウモリさんはそう思ったの

あるハロウィンの晩
コウモリさんの願いがかなったの
クロネコさんは泣いて謝ったの
いじめてごめんなさい
私もカラスさんにいじめられていたんです

それを聞いてコウモリさんは言ったのよ
いじめられるのがいやだったら
ほかのひとをいじめてはいけないわ
弱いものいじめはやめさせなくちゃ
クロネコさんがいじめられないように私たちも手伝うわ

クロネコさんとコウモリさんは仲直りしたの
そして約束したの
弱いものいじめを力を合わせてやめさせようって
そのためには知恵と勇気を出そうって
これがそのときの記念写真なのよ
< 23 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop