現の境界線【短編】
ある日の出来事
その日帰宅した私はいつもより疲れていた。

仕事でトラブルがあり、その処理に身も心も追われたのだ。

しかもそのトラブルとは残念な後輩のあり得ない凡ミスによるもので、はっきり言えば尻拭いであり処理し切った後にも達成感などはなく、ただダルいような疲労感だけが残った。

(今日は早く寝よう)

職場を後にし家路を気だるく辿る間強くそう思ったのをよく覚えている。

アパートで一人暮らしをしている私は普段なら食事は自炊なのだが、さすがにその日はそんな気になれず帰宅途中で外食してから部屋へ戻った。


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