【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~



「聞いていなかった結香様が悪いのです。
でも、御安心を。此処に御座いますのは、所詮レプリカ・・・。
時期に止まります」


そんな臨音さんの言葉のすぐ後に、音が止んだ。


「ほら。止まったでしょう?」


・・・本当だ。

私は、ガラスケースに目をやった。

確かに、臨音さんの言葉の通り、動きは止まって元の姿に戻っている。


「では、もう一度質問します。
この“自転車少女”、買いますか?買いませんか?」


私は、さっきよりはっきりと。そして、大きな声で答えた。


「買いません!!!」


すると、臨音さんは残念そうな声で言った。


「そうですか・・・。
では、他の少女も是非御覧になってください」


その言葉を発している時、既に私は他の少女の元へと向かっていった。



・・・早く、早く見て、一刻も早くここから出なければ!!!!


そんなことを考えながら----・・・


< 33 / 221 >

この作品をシェア

pagetop