恋する24時

「わぁ~、伊織先輩スタイルいい!!」



「えっ!? 遙花の方がイイでしょ?」





 露天風呂の脱衣場で

 つい見とれてしまうわたしに

 伊織先輩は

 ギョッとした顔でわたしを見た。



 背が高いのに猫背じゃない先輩は

 スラッとした立ち姿が綺麗。





「……」





 ユニセックスな容姿なのに

 色白で口紅をつけてなくても紅い唇が

 色っぽくて、目が離せなくなる。



 こう言う所なのかな?





「スレンダーで胸をつけるのってタイヘンなんですよ?」



「はぁ?」





 自慢にならない胸を隠して

 わたしは

 かけ湯に直行した。





「寒~っ!!」



「ヤバい、凍える!!」





 2、3度かけ湯を流して

 わたし達は湯船につかった。





「はぁ、暖まりますね~」





 営業の出張先で最高な場所は  

 温泉地だと思う。





「ん~!! やっぱ最高だね~、商談後の温泉は」



「はい」



「この旅館ご飯も温泉も最高だから、BROSSOさんの企画毎年入れちゃう」



「あはは…、だからBROSSOさんの企画、伊織先輩独占なんだ?」



「そう、バレた~?」





 そう言って

 まぶしいくらい可愛く笑うから

 やっぱり適わないなぁって思う。



 伊織先輩は

 自然体で本当に綺麗で可愛い。



 このギャップに

 絶対生方はやられたんだろうな……。



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