恋する24時

 同じ施設出の先輩の秋穂ちゃんは

 3歳年上のお姉ちゃんで

 優しくて面倒見がいい。



 ウチの施設は

 高校を卒業したら自立するのが決まり。



 だから

 高校の3年間でアルバイトして

 1人暮らしを始めるのが普通だけど



 アタシは

 高校の時運悪く骨折して

 あまりアルバイトする時間がなかった。



 施設の人達は

 お金が貯まるまでいていいんだよ?

 と言ってくれたけれど



 院長先生も、他の先生達も

 ギリギリの所で

 頑張っているのを知っているから。





「……」





 社会人になってまで

 甘えさせてもらうのは申し訳なくて

 秋穂ちゃんに相談して

 お金が貯まるまでシェアと言うか

 居候させてもらっている。



 もちろん家賃はちゃんと

 話し合って決めて払っている。



 高校を奨学金で行かせてもらったから

 貯められる金額が少ないけど

 ボーナスとかが出れば

 秋穂ちゃんにも迷惑かけずに

 ちゃんと自立出来るようになる。





「秋穂ちゃんのおかげで、お仕事も頑張れてるよ?」



「なによ急に、照れるじゃん」



「えへへ、リュウくん連絡とれるといいな」



「そうだね」



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