恋する24時

「オイ! 千川、お前時間大丈夫か?」





 コーヒーの後片付けをしていると

 ソファで心配そうに

 先輩が時計を気にしてくれた。





「えっ? あぁっ!!」





 見ると

 いつも家を出ている時間を少し

 過ぎていたのだけど……。



 ヤバいっ!



 アタシまだ

 着替えてないじゃん!



 あれ? 何で?

 いつもと同じ時間に起きたはずだよね?





「先輩ありがとうございます!」





 何だろう?

 動きが遅かったかな?



 ふわふわすると言うか

 身体が重い感じ?



 あわてて洗い物終わらせて

 自分の部屋へ戻ろうとしたら……



 リヴィングの床が

 グニャリと曲がったように感じて



 あ、れ?



 上下左右の感覚が

 おかしい?



 痛みと一緒に

 何かが倒れる音がした。





「――…んかわっ!?」





 印南先輩の叫ぶ声が遠くで聞こえて

 アタシの視界が

 ブラックアウトした。



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