恋する24時
生まれて初めて彼が出来ました。
その人は
同じ部署の先輩で
企画補佐のアタシに
お仕事を教えてくれる人でした。
「亜美ちゃんおはよう」
「あっ、おはようございます美知先輩」
「そ~そ~、辞令見た? 1Fフロアに貼り出されてたよ?」
「いいえ?」
「印南くん、1コ昇進だよ?」
「わぁ、スゴイですね!」
10月になって
企画部に辞令がおりた。
『本日付けで、印南桐谷を企画部主任に任命する』
実は、数日前に
先輩から聴いていたのでした。
今日はお祝いに
先輩の好きなモノ作ってあげようかな?
あっ、でも
加藤部長と飲みに行ってしまうかしら?
それでもいいや
先輩の好きなモノ作ってあげよう。
「……」
今日からは
先輩じゃなくて
印南主任って呼ばなきゃいけないな。
アタシには
会社に秘密の彼がいます。
この部署の為に必要なことだそうです。
内緒だけど
家に帰ったら
ちゃんと彼と彼女に戻れます。
とっても優しくしてくれるんです。
「……」
今日も1日忙しくなりそう
アタシは
晴れ晴れとした気持ちで
皆さんの大好きなコーヒーを
今日もたっぷりと
作っているのでした。
Fin