恋する24時
♪~♪♪~♪~♪~♪♪~
小さな歌声がした。
蒼い部屋の中の静けさを
少しずつ埋めてゆくように
久我の声が満たしていく。
「……」
2人とも好きな
イギリスのアーティストの
静かな旋律
この、蒼い世界に
よくにあっていた。
心地いい……
もう
久我とこうして
どのぐらい経つだろう?
♪♪~♪~♪~♪♪~♪~
落ち着いたトーン
居心地のいい空間。
あたしと久我は
まるで
同じもので出来ているみたいに
よく似ていて
相手のことが手に取るようにわかる。
言葉や形にとらわれることなく
他に邪魔されることなく
保たれた、奇跡のような5年
ずっと、このまま
静かに過ごせたら…――
と、切に願う。
「真矢、明と結婚だってな……」
気が付いたタイミング
バッチリで久我が話し出す。
「うん、明から聞いた」