恋する24時

「ある」





 真也が、ポツリと頷く。





「真也!?」



「ほら、あたしの事は取り敢えず納得したでしょ? 自分達の為に貴重な時間を使って?」



「……何かあったら連絡しろよ?」





 心配顔で仕方なく、明は立ち上がる。





「うん、ありがとう」





 ホントに明は

 あたしのコト好きだよね



 嬉しくて、心が癒される。





「伊織」





 2人を見送ろうと

 後ろを歩くあたしを真也が振り返る。



 彼が話しかけて来るのは稀だ。





「ん?」



「伊織は、生方のこと嫌い?」





 真っ直ぐにあたしの目を見て

 真也は言う。





「嫌いじゃないよ?」



「じゃあ、少しは好き?」



「そうね、同じ会社の後輩としては……、真也こそどうしたの?」





 考えるように首をかしげて

 また真也は口を開く。





「可愛かったから……」



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