恋する24時

「伊織さんがあの状況で、オレが何もしないなんて無理です」





 痛い、くらいに

 真っ直ぐな、生方の想いが

 胸の奥に突き刺さる。






「……」





 淡々と

 かわせていたはずだったのに……。



 息が、苦しくて



 彼の視線から逃れるように

 ギュッ、と目を閉じた。





「……伊織、さん?」





 頭が、クラクラする

 もう

 かわせる自信がない……。





「……何で、かな?」



「えっ?」



「生方は、何であたしのこと……」





 好きに、なったの?





「……」





 苦しまぎれのあたしの言葉に

 生方が息をのむ。



 ギリギリで止めた本音

 でも





「……反則です、それ聞くの」





 少し怒ったような

 拗ねた口調がめずらしくて



 顔を上げると



 困ったように横を向く

 生方がいた。





「……」




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