先生、キライ!
 私はドキン!とした。

 私の反抗は常に私の中で起こっていることであって、私の憤りなんて誰も知らない。私を知っている大人達は口を揃えて「しっかりした子」と見ていてくれる。それが私の大人達への復讐だった。心の中で、いつもいつも罵声を発していた。

 近藤先生には、私はどんな子に見えているんだろう?

「先生、叱るのが面倒だとか、生徒にそんないい加減なこと言っていいんですか?先生のファン減りますよ」

 私の中の動揺を気づかれないように、冷静に言った。

「別にいいじゃん。俺そんなのどうでもいいし」

「先生でしょう?」

「先生って何?石野は俺に何を望むわけ?」

 近藤先生の方が子どもっぽいような気がして、ふいっと笑えた。

「先生って、子どもみたい!」

「何とでも言えばいいけど、俺はクールで渋い数学教師を目指してるから」


 クールで渋いねえ……どちらかというと、無頓着で、自分勝手なような気がするけど……

 でも、私は大人にもいろいろな種類があるんじゃないかと少しだけ思った。体裁と対面ばかり気にしている大人しか知らなかった。「俺に何を望む?」と言われて、私も考えた。知らず知らずのうちに、私も、先生ってこうあるべきだ!っていうものを押しつけていた。高校生はこうあるべきだって押しつけてくる学校の先生と同じだ。ちょっと、反省した。

 近藤先生は、何者だろう?

 もっと、知りたい!もっと話がしたい!



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