苦く甘い恋をする。
「バカッ。
ちょっと……こっちにきて!!」


長谷川くんのスーツの袖を少しだけ摘まんで、一番近い応接室に引きずりこんだ。


「あんなところで……。
しかも警備さんが、興味津々、聞き耳を立てているところで……。
アンタ、何てことしてくれるの!?」


「……でも。ちょっと涙ぐんでたクセに~。
俺のキモい告白、何気に嬉しかった?」


茶化すように言って、長谷川くんは私の肩をポンと叩いた。


「でも、さっきのアレ。本気だから」


「……っ」
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