苦く甘い恋をする。
「美姫、聞いてる!?」


「聞いてるよ」


私はロッカーを閉めながら、愛海を見上げた。


「……え。じゃあ、どうして全然驚かないわけ?」


「別に。驚く必要もないし」


「何で?」


「……え?」


急に愛海に腕を掴まれて、戸惑った。


「何で……って。別に。私とアイツ、何の関係もないから」


静かに言って、愛海の腕に手をかけると……。
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