苦く甘い恋をする。
「確かに、私達の仕事は、直接的には利益を生まないかもしれないわ。
でも、将来的なことを考えたらどうかしら?
今日の私達の対応や笑顔ひとつで、会社の展望は変わってくるかもしれないのよ?」


「…………」


「そう考えたら、わくわくしない?」


「……え?」


「私達が、この会社を動かしてる……って、ね」


そんな言葉の後、栗林さんは滅多にしないお茶目な顔でペロッと舌を出して、画面に視線を向けた。


「さぁ、お客様がいらしたわよ。今日も一日、笑顔でがんばりましょうね」

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