魔女の幸せ


「いいえ、小さい頃からイザベラのところに居ましたので」



アリアの言葉を聞いて、エリーゼは「あら」と声を上げた。




「じゃあイザベラのところへ来る前は?」


エリーゼの問にアリアは、少し顔を暗くした。



「覚えてないんです。記憶喪失らしいのですが、覚えているのは森をさまよってたところをイザベラに助けられて、
最初はイザベラが親を探してくれた様ですが見つからず、この『アリア』って名もイザベラが付けてくれました」



「あら、そうだったの…」
と、何故か自分の事のように落ち込むエリーゼを見たアリアは、ハッとする。




「で…でも、私はイザベラに出会えたから、これで良かったと思ってます!
イザベラは『姉』と言うには少し怠け過ぎてますし凶暴ですが、寂しさを感じたことはありませんし、
私は魔女を誇りに思ってます!妖精がみれるようになったのも、知識を教えてくれたのもイザベラです!!」




 
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