魔女の幸せ
そんな事をぼーっと考えていたら、痺れを切らしたジュリーが顔をしかめてアリアを見た。
「何をしているの!私の命令よ!早くなさいなさい」
人の身体を跳ね上がらせるような強い声に、アリアはポケットを探るが、ポケットの中に入っていた唯一の布…ハンカチは、妖精達に振る舞ったクッキーのカスが付いている。
これでジュリーの靴を拭くなんてできない。
「すみません。姫の靴を拭ける様な布を今持っていませんので他の方に…」
キョロキョロしながら近くに誰か居ないか探す。
ハンカチくらいなら皆持っているだろう。借りて後でよく洗って返せばいい。
そう思っていると、一瞬キョトンとしたジュリーはアリアを指差し、
「布なら今あなたが身に付けているみすぼらしい服で良いわよ。袖かスカートでさっさと綺麗にしなさい。私は早くウィルに会いに行きたいの。手間を取らせないで頂戴」
と、とんでもない事を言った。