Vrai Amour~美空の場合~
3.魔の策略
「久しぶりだな、美空」

サンルームに入ると意外な人物がいた。

全身黒のコーディネートで固めた従兄弟・九条秋緒だった。


「お母さん?」

なんで、秋緒さんがいるの?

何の話なのかまったく見当もつかずにいると、お母さんはゆっくりとソファーに腰をおろした。


「・・・座って」


サンルームは朝日が差し込んでまぶしいくらいテーブルの上の白い食器たちを輝かせる。

ゆっくりと籐のソファーに腰掛けると、目の前にいい香りのする紅茶が注がれた。


お母さんはその紅茶を一口、口に含ませるとゆっくりとカップを置いた。










「・・・あなた、つきあっている人がいるそうね」











一瞬にして背中が凍りついた。

嫌な汗が背中をつたう。
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