仕事上手(?)で恋愛下手(!)
「おい。西村。ちょっと。」

相談室に戻って来てすぐに、主任に呼び止められ、引っ張られるように
8階へ連れて行かれた。

8階に着くなり主任は突然口を開いた。

「あれ。決まりそうだぞ。
年明けに正式なものが出るだろう。
おれ様のお陰だ。感謝しろよ。」

その話は先日、主任に相談していた
お願い事がどうやら叶うらしい
ということだった。

それは私がこの仕事に進もうと
思った学生の頃からの夢だった。
手が届かないと思っていた夢が
自分の手の届くかもしれないという
感覚はなんとも不思議なものだった。
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