仕事上手(?)で恋愛下手(!)
「つまりは、アルコール依存症の治療が一番だと思っているわけね。」

大和先生に問われ、私は大きく頷いた。

「そして、先生。私このカンファレンスに保険を掛けときたいんです。
それで、お願い事が3つあります。

1つは、先生からアルコール依存症に付いて旦那様へ
よく話をして頂きたいんです。
アルコール性認知症の話とかいっぱい…。」

「了解。治療しなきゃ駄目だと思わせるように、だな。
でも、おれ精神科のドクターじゃないからなぁ。

ちょっと信憑性に欠けるかもしれないぞ…。」

っと何だか考え込んでいる大和先生を無視して私は続けた。

「2つ目はカンファレンス中に何があるか分からないから、
男性の看護師を一人付けてください。」

「了解、師長に頼んでおく。多分あの辺の病棟だから…
濃厚なのは柏木(かしわぎ)かなぁ。
男性ナースも増えてきてるけど、圧倒的に女性ナースの方が多いかなぁ。」


(柏木かぁ…)

大きなため息をついた。
柏木は私がすごく苦手と感じるナースだった。

(なんていうか、嫌味なんだよなぁ。)

落胆しきっている私の表情を見て、大和先生は

「花菜は柏木苦手だったっけ?
まぁくせ、毒か。はあるけど、医療にはすごく前向きな奴だよ。」

と慰めるように言ってくれた。

「そして3つ目なんですが…。」


っと3つ目のお願いを話し終わると、

「こんだけ花菜のお願い聞いたんだから、
このカンファレンスがうまくいったら食事にでも
付き合ってもらわないと、気が収まらないな。」

とちらっと私を見ながら言った。

「高いのは駄目ですよ。圧倒的にお給料に差があるんですから。」

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