仕事上手(?)で恋愛下手(!)
パッと腕を放され、
ちょっと寂しくなってしまったけど
『もっとぎゅってして。』なんて
口が裂けても言えるわけがなく
再びエレベーターに乗り込んだ。

(大丈夫。大丈夫。)

心の中で何度も唱えた。
資料も十分すぎるほど用意したし、
切札だってあるんだから。
自分を励まして、テンションを上げる。

エレベーターが間もなく3階に着くとういう時、
柏木が突然私に近付いてきた。
そして額に何かが触れた…。

「うまくやれよ。」

ドアが開いた瞬間柏木は後向きで手を振りながら
先に出て行った。

(何??どういうこと???)

頭の中が疑問符だらけで、
緊張感なんてぶっ飛んでしまった。


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