A false smiling face.
だって、美紀は・・・

美紀は・・・

つい最近まで、私をいじめてた人。

健斗も知ってるよね?
なのに・・・
なのになんで美紀なの?



――・・・健斗、言ったよね?





~約1年4ヶ月前(小学6年生の時)~

「佐伯ー。はい。」
そう言って、私に好きな人の名前を書いた手紙をくれた。
それは、ノートの切れ端で、急いで書いたような感じだった。
「お!!書いたんだー。」
「そりゃぁ、頼まれたもんな(笑)」
「頼まれたら、書くの?」
「いや・・・そうとも限らないわぁ。。」
「ふぅん。。まぁ、家でじっくりと読ませていただくよ」
私が、強引に健斗に『好きな人教えて』と言ったから、健斗が紙をくれたということは、『あたし、信頼されてるかも』とちょっと調子に乗っていた。

いきなり健斗が「あ!!」っと振り返って、
「木村にはいうなよ?あいつに言うと厄介なことになるから…」
「あいよ!!了解した」
『木村』というのは、私の友人の春のことで、つい最近私が手伝って、やっと健斗に告白した。
答えは…   NO   だった。
で、なぜか私もその現場にいて…
『いて』というよりは、『連れてこられた』といったほうが合ってるかも。
健斗が言っている『厄介なこと』とは、多分そのことだろうと思う。

家について、ランドセルを置き、健斗からの手紙を開いた。
ソレを見たとたん、驚きを隠せなかった。



「佐伯へ
俺は、佐伯のことが好きです。これを前提に付き合ってください。
                     森より」


と、書いてあった。

・・・は?!
ちょ、ちょっとまって!
あ、あた、あた、あたしーー?!

そんな素振り、見せてなかったよね?!

ってゆーか、そーなってくると、今の席、三角関係じゃね?!


…何度見ても変わらない文字を、なんどもなんども読み返した。
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