同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
「私は今度、伯父の会社に厄介になる事になりました」


 ゴホンと咳ばらいを一つして、海さんはそう言った。なぜか春姉の顔を見ながら。


「う、嘘。私の会社に!?」


 すると春姉は、目を丸くして驚いていた。

 えっと……、つまり海さんの伯父さんという人は一条家の当主で、その人が春姉の会社の社長さん、って事なのかな?


「はい、副社長として。ですから秘書課の中山春さん、貴女には会社でもお世話になりますね。よろしく」


 そう海さんに言われ、春姉は「こちらこそ……」と言って海さんにお辞儀をしたけど、その声が沈んだ感じに聞こえたのは、私だけかな。


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