ブラウン管の中の彼女
FIRST*STEP




「福永実早(フクナガミハヤ)って可愛いよね~」


「顔ちっちゃいし、足長いし、羨ましいぃ―!!」


僕の席の近くで雑誌を読んでいた女子はこれでもかってほど騒いでいた。


彼女達は隣で黙々と弁当を食べる僕には目もくれず、さらに話を続ける。


「一度でいいから福永実早に会ってみた~い!!」


異口同音で発せられた言葉に僕は苦笑いし、彼女達はお互いうんうんと頷いていた。


そんなに会いたいものなのか…?


僕にはさっぱりわからないんだけど…。


僕は弁当を食べる手をとめ、ポケットでブルブルと振動する携帯をとりだした。


「もしもし」


《祐ちゃーん!!》


間髪入れず飛び出す声。


「実早ちゃん?」


《うん♪》


さて、そろそろこの状況を説明してみよう。



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