恋する手のひら
「バカ、タケル!」

私が真っ赤になってタケルを押しやると、彼はしたり顔で舌なんか出してる。

恥ずかしくてたまらなくなった私は逃げるように観覧車を離れた。


あっと言う間に日は沈み、初デートは無事終了した。
色々あったけど、すごく楽しかった。

大丈夫。
昨日よりも今日の方がタケルのこと好きになってる。
そして、今日よりも明日の方がきっと…。

その日の夜、ベッドの中で眠りにつく直前に自分の気持ちを確認する。

タケルとならちゃんとやっていける、そう思って目を閉じた。
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