春待つ花のように
「ローラ、今夜はどうするの?」

 イブがわざとらしく質問してくる。ノアルは2階にあがる階段まで来ると、ローラを見る。ローラは困った顔をして、自分のことを見つめていた。

「いいよ。おいで」

 ノアルはそう言うと、階段を上り始めた。ローラは赤い顔をして頷いた。

「ちょっと、店の手伝いは?」

 イブが叫ぶ。いい雰囲気のまま上に行かれて、その上店の手伝いをすっぽかされたら頭にくる。

 恋が上手くいってほしいのは自分だって同じなのだ。いまだ、その相手には出会ってないが、いつかは甘い恋愛をしたいと思っている。

「するよ。着替えてくるから待ってて」















 マリナは窓に寄りかかったまま、自分の唇を触った。瞳を閉じると、目の前にはノアルがいて、自分を抱きしめてくれる。

 ゆっくり瞼を開けると、マリナはため息をつく。誰も居ない自室。

 広くて寂びしい部屋。ソファーにテーブル、クローゼットに棚。壁に鏡がかけてあって、あとは大きなベットがあるだけ。

 こんな部屋に魅力など一つもない。
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