恋泪の空(仮)
プロローグ



「夜枝、部長が呼んでるよ。」


オフィスで1番仲のいい同期のサクラに小声で言われてノロノロと立ち上がる。


そのままノロノロと部長のデスクまで行き仏頂面の棒読みで「なんでしょうか」と言った。


普段目上の人にこういう態度は取らないけどこの人に関しては別。



入社して1年の頃には尊敬できて頼りになる部長がいた。

その部長は他の部署へ行ってしまい今の部長がいるんだけど…



一言でいうならこの人は最悪。

まず、仕事をしない。

他人がみれば忙しそうに見えるのかもしれないけど実はどうでもいいことばっかでやるべき仕事を部下にまわしているのを恐らく、部署のほとんどの人が知ってる。



次に仕事に私事《わたくしごと》を挟む。


話すと長くなるんだけど私が1番気に食わないのは忙しい時期で自分の部下が懸命に働いてるのにも関わらず平気で有給をとること。


私も偉そうなこと言える程立派ではないけど上司としての自覚もないし、常識さえ疑ってしまう。


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