石川啄木の歌を読む (1)
一握の砂~我を愛する歌

一握の砂


石川啄木


函館なる郁雨宮崎大四郎君
同国の友文学士花明金田一京助君


この集を両君に捧ぐ。予はすでに予のすべてを両君の前に示しつくしたるものの如し。従つて両君はここに歌はれたる歌の一一につきて最も多く知るの人なるを信ずればなり。
また一本をとりて亡児真一に手向く。この集の稿本を書肆の手に渡したるは汝の生れたる朝なりき。この集の稿料は汝の薬餌となりたり。而してこの集の見本刷を予の閲したるは汝の火葬の夜なりき。

著者


明治四十一年夏以後の作一千余首中より五百五十一首を抜きてこの集に収む。集中五章、感興の来由するところ相邇(ちか)きをたづねて仮にわかてるのみ。「秋風のこころよさに」は明治四十一年秋の紀念なり。



底本:「日本文学全集12 国木田独歩 石川啄木集」集英社
   1967(昭和42)年9月12日初版発行
   1972(昭和47)年9月10日9版発行
※冒頭の献辞と自序は、「啄木全集 第一巻」筑摩書房、1970(昭和45)年5月20日初版第4刷発行から、補いました。
入力:j.utiyama
校正:浜野智
1998年8月11日公開
2011年4月27日修正
青空文庫作成ファイル:
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