胡蝶の翅
男の手に再び誇りは戻らぬ。
流れる時代についていけるほど、騎士の誇りや精神は柔軟であってはならぬから。
ああ愚かなり。
けっきょくかつての雷神は、今を生きれない過去の思い出――…取り残されながらも必死に追い付こうとする愚か者。
哀れか、哀れだ。
それでもなお騎士でありたい。
快楽や利益がために剣を振るうなど許しがたいことではないか。
時代は変わった。
殺害は軽薄になった。
誇りは安っぽくなった。
騎士は堕ちた。
それでも、雷神はまだ憧れていたい。