揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
玄関のチャイムを鳴らすと、程なくして彼がドアを開けてくれた。


「呼び付けたりして、ごめん」


そう言ってスリッパを用意してくれる大翔君に、何だか違和感を憶えていた。


よそよそしいような、素っ気ないような。

そんな感じがして仕方ない。


先に奥のリビングへと向かって行く彼の後ろ姿を見て、私はその違和感の正体に気付いた。


さっきから、一度も目を合わせてくれてないんだって事を。


何だか嫌な予感を感じながら、私は靴を脱いでスリッパを履き。

彼が向かったリビングへと足を運んだ。


そして、ドアが開いたままのリビングのソファに…あの人の姿を見つけてしまったんだ。


「いらっしゃい、由佳さん」


その姿を見た瞬間に足が竦んでしまって。

私はリビングの入口で、全身を強張らせたまま立ちつくしていた。


まどかさん、いたんだ……。


てっきりいないものだと思い込んでいたから、かなり驚いてしまって。

心臓が凄い勢いで脈を打ち始めている。


「そこ…座って」


キッチンにいた大翔君が、まどかさんの前のソファを指差した。


今でも、彼はこっちを見てくれない。

淡々とした口調で、私にまどかさんと向かい合わせに座れと言ってくる。


何なの…これ?
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