揺れる想い～年下彼氏は小学生～㊦

chapter９

「ホント、由佳は隙が多すぎるんだからっっ！」


翌朝の教室。


登校するなり、私はお怒りモード全開の沙希に捕まってしまった。


「ご、ごめんね……」


昨日の帰り道も散々怒られたけど、まだ彼女は怒りが収まってないみたいで。


「あんた彼氏がいるんでしょ？下手したら、浮気に思われるよっ」


「浮気って、私は別に何も……」


「あの弘登って人、どう見たってあんたの事を狙ってんじゃん。その気がないなら、ちゃんと突き放しなよっ」


「でも、先輩も口説くつもりは無いって言ってたし……」


弱気な声で言い返してみたものの、そこにはしばし沈黙が流れただけで。

呆れた顔で真っ直ぐに見てくる親友の姿に、私はただただ居心地の悪さを感じてしまっていた。


「私が、あんたに彼氏がいるって教えたからでしょ？言ってなかったら、とっくに告られてたよ」


「えっ？まさかぁ……」


「ホント、由佳って人がいいよね」