HAPPY GO LUCKY!!
「――拓ちゃん…」

穂波が心配そうな顔で俺を見ている。

「学校へ行く準備をしろ。

全校集会があるそうだから」

それだけ言うと、俺は寝室に向かった。

スーツに着替えながら、俺は全校集会で話す内容を考えていた。

全てを隠す必要はない。

ありのまま、それも正直に話せばいい。

「…こんなもんで、いいか」

鏡の中の俺に問いかけた後、キュッとネクタイを締めた。

ネクタイは穂波がクリスマスプレゼントにくれた、紺と白のネクタイである。

「さあ、行こう」

俺は鏡に向かって呟いた。
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